なぜイノシシは増え、コウノトリは減ったのか

なぜイノシシは増え、コウノトリは減ったのか

平田剛士・著
2007年、平凡社新書
740円+税

ダムですみかを奪われるイトウ、コウノトリの野生化へのこころみ、各地で多発するツキノワグマとの軋轢等々、野生動物をめぐる多様な問題と解決策を各地に追うドキュメント。(平凡社ウェブサイトから)


はじめに
第1章 ダムに風穴を開けろ
湿原の中の巨大構造物/イトウ親魚は残り一〇〇〇匹
砂防ダムなのに砂防効果なし/「無効ダム」をどうする?
環境復元はいまだ試行錯誤中/神格化されたエリア

第2章 田園に舞え、コウノトリよ
祝福された旅立ち/野生復帰は「社会革命」/官僚機関が「共生」謳う
ボランティアが支える追跡調査/コウノトリと暮らす「文化」

第3章 ぼくら、ツキノワグマ予報官
ハイテク装置で追跡/「初犯」のクマは学習放獣/「今年は準備が必要」
「もう『共存』なんていえない」/「僕たちが初めて直面する問題」
軋轢はゼロにできない、でも……

第4章 飛ぶ鳥を落とす風車
渡りルートに風車が林立/「急激かつ強力な物理的外力」/先進地に学ぶべきは……?

第5章 キューダイ方式が里山を救う?
「戦火の下の難民救出」/ネットワークセンサス/学内に環境NPOを設立
「野生動物は人間との関係性の中で生きている」

第6章 西洋大円花蜂、知床半島に接近す
侵略者? それとも功労者?/季節調整して通年供給/在来生態系への影響は
「特定外来生物」

第7章 アライグマ鎮魂歌
モニタリング/人獣共通感染症/いつまで殺し続ければいいのだろう

第8章 野生動物とサスティナブルなおつきあい
牡丹鍋のふるさと/お肉の人気が保つ狩猟圧/増えすぎたシカを「有効活用」
新しい猟区/弱まる農山村「防衛力」/責任あるハンター輩出を目指す

あとがき

おもな参考文献