非除染地帯 ルポ 3.11後の森と川と海

非除染地帯/平田剛士「生態系への影響 丹念に取材」──北海道新聞2014年11月11日夕刊


「除染対象から外れた地域の山や川と向き合い、数字を計り続ける人たちの姿を淡々と描いた一冊」──荻上チキ氏・朝日新聞2014年11月23日読書欄


「半径20km圏内などで続く放射能の影響を伝えた」──北海道新聞2014年11月30日空知版


「人と自然生態系とのつながりをズタズタにした原発事故の罪は大きい」──中舘寛隆氏・北海道新聞2014年12月14日ほん欄


「生きものたちの体を出たり入ったりしながら今も大量の放射能が生態系をめぐり続けている」──faura46号2014年12月


「著者はこの自然空間の動植物の異変を「生態学の目」でしっかりと見なければならないと我々に訴える。放射能汚染の加害者たる人間が放射能による生態系被害を知らないでいるなんて、許されてはならないから。」──濱田武士氏・読売新聞2015年1月11日書評欄


「東北被災地に暮らす私たちには、いま自分たちのまわりでなにが起きているのか、それもまた気にかかる。平田剛士『非除染地帯 ルポ3・11後の森と川と海』は、福島の山野に原発事故の影響を追う。原発事故は東北の豊かな自然に傷を負わせた。」──土方正志氏・朝日新聞2015年3月8日読書欄「ニュースの本棚」


東京電力福島第一原発の過酷事故発生から3年半が経過した。除染事業の予算消化とともに避難区域が再編され、周縁部から徐々に住民が戻り始めている。

だが、除染対象から外れた「非除染地帯」の森・川・海では、今も大量の放射能が生態系をめぐり続けている。食物連鎖の流れに乗って、草木や虫や獣や魚たちの体を出たり入ったりしながら、セシウムは一向に消えてなくならない。

被災地の「山の幸」「海の幸」はいつ元通りに戻るのか──

答えを探して各地を歩き回った。

平田剛士・著
2014年、緑風出版、1800円+税


目次

はじめに

第1部 2013年冬

第1章 奪われた「山の幸」
第2章 沿岸放射能のゆくえ
第3章 被曝した生きものたち
第4章 里が山に飲み込まれる
第5章 東北の幸をとりもどす

第2部 2013年夏

第6章 避難指示解除準備区域にて
第7章 20キロ圏内ナイトツアー
第8章 アユが放射能をため込む理由
第9章 モリアオガエルに心寄せて
第10章 マタギたちの苦悩
第11章 セシウムは泥水とともに

第3部 2014年春

第12章 汚染土を食らうシシたち
第13章 サルの血が物語ること
第14章 アユは川底から被曝する
第15章 ユメカサゴの警句

第4部 避難エリアの生態系はいま

第16章 「生態学の目」で見る

あとがき 福島エコツアーのすすめ

参照文献一覧